Dr.タナカの豆知識
7月末で、紙の保険証は取扱い終了。タダの紙切れになりました。
昨年の12月1日以降は、紙の保険証の有効期限は終了しましたが、救済措置として、医療機関としては、(本来無効
である)紙の保険証の提示であっても、「資格の確認できれば受診を認める」という取扱いでした。その救済措置もつ
いに先月末で完全終了となりました。 (資格確認書という形で紙は残りますが..)
マイナンバーカードを保険証とすることには、処方されたお薬のデータ共有などといった利便性に資するだけでなく、
医療制度の根幹に関わる「裏の目的」が存在します。
それは、従来の紙の保険証が抱えていた最大の脆弱性である、実体のない不正な保険証の完全な排除です。
顔写真のない従来の保険証は、身分証としての確認能力が著しく低いものでした。
令和5年に全ての保険証に対して行われた総点検では、氏名や生年月日が住民基本台帳と一致しない不審な保険
証が、なんと約139万件も発覚しました。その大半は手続きの不備や記載ミスですが、
中には転居・退職時の未返却による「重複発行」、さらには架空の人物による不正取得など、マイナンバー(住民登
録)と最初から紐づくはずのない保険証も製造されていました。また、紙の保険証の脆弱性を悪用した「なりすまし受
診」なども医療現場に長年横行し、これらによる膨大な医療費の不当な搾取も問題となっていました。
国が一元管理するマイナンバーと紐づける真の狙いは、これら「実体のない保険証」をあぶり出し、強制的に無効化
することにあります。窓口での顔認証により他人の保険証の使い回しや犯罪目的の悪用は事実上不可能となりました。
つまり、マイナ保険証への移行とは、私たちが支払う大切な保険料の原資を守り、不法な医療アクセスの抜け穴を
完全に塞ぐための「医療DXによる治安維持」という極めて重要な側面を持っているのです。
田中歯科クリニック 田中 隆博
(大阪市福島区吉野4丁目25-23)
