Dr.タナカの豆知識
部分入れ歯の改造
「先生、入れ歯が急に会わんようになった。診に来てくださいや!」
これも、大阪に戻る前の勤務医時代の出来事です。
3ヶ月ほど前に部分入れ歯を新調したばかりの、往診先の○西さん(仮名。80代のオジさん)から診療所に電話が入りました。
この前まで「新しい入れ歯は、調子がええです」と、言ってくれてたのに・・・
とにかく診ないとわからないので、お家に行きました。
使えなくなった部分入れ歯は完全に変形していました。どうして変形したのか・・・
○西さん曰く、
「入れ歯をティッシュペーパーに包んで保管してたので、間違って踏んでしまった」
でも踏んだだけで、ここまで曲がらない。よくよく話を聞くと
「踏んだ直後は、ただ緩くなっただけだったので、修理をしたら入らなくなった・・・」
つまり、こういうことでした。
ティッシュに包んだ入れ歯が床に落ちて、それを上から踏んでしまった。
そのときに、歯にかかる引っ掛け(・・・①)が
曲がっただけだったのに、顎を渡す背骨の金属
(・・・②)を「締めて」しまった。
入れ歯を新しく作って6ヶ月以内に、再び同じ入れ歯を新しく作ることは、保険診療では認められていません。
もしどうしても、作るのであれば、実費は患者さん負担ということになります。
(こちらは、来月のコラムで記載します。)
結局は、○西さんの入れ歯は、入れ歯を「床」「ひっかけ」等を一度解体して、お口の中で再び合体させることで、何とか使えるようになりました。
みなさま、入れ歯とティッシュペーパーは、紛失・破損の元ですよ。ご注意を。