Dr.タナカの豆知識

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「前歯の修復」

前歯はその名の通り、鏡を見たらすぐに確認できる場所にあります。
バッチリと見えてしまう箇所ゆえに患者さんからの評価も当然、シビアになります。
ところで前号にも書きましたが、前歯は、元々の形態が薄っぺらくて、しかも上と下の噛み方は「軸方向斜めに当たる」箇所です。
しかも「ギリギリ」と動かすときは顎全体の力を一身に受ける場所です。(ちょっと分かりにくい表現かな....)
上の前歯の裏側に沿って「すりすり」と下あごを突き出すように動かしてみてください。そうすると、上と下の奥歯が当たらなくなると思います。
このとき、顎の力は前の歯に集中しているわけです。
(ちなみにこの時に前歯と同時に奥歯が当たり続けている方や、そもそも前歯で「すりすり」ができない方には、肩こりの酷い方や受け口の方が多かったような気がします。)
神経を処理している歯は平たく言えば、やや脆くなっているので削ったところだけをプラスチックやセメントで補うといったタイプの治療の場合、大きな加重が掛かった場合折れることがあります。
一方で、歯牙の周囲をすっかり削って冠を被せる治療方法では形を自由に出来るメリット(例えばやや出っ歯気味なのを修復物できれいに並べることができます)がある反面、沢山、天然の健康な歯牙までも削る必要があります。
かなり以前になりますが、ナインティナインの岡村が、放送中に差し歯が取れるハプニングがありました。

前歯で「すりすり」と動かさなくても、例えばスルメのような硬い嗜好品が好きな方も、前歯の製作物にとっては苦しいことになります。続きは次回


田中歯科クリニック  田中 隆博

(大阪市福島区吉野4丁目25-23)